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ファネルとは
ファネルとは、日本語で言うと「漏斗(じょうご・ろうと)」のことを指し、一般的に逆三角形の形で表されます。 ファネルは底に近づくほど徐々に顧客の数が減っていく特徴があり、その形が漏斗に似ていることから名付けられました。 顧客が商品・サービスを認知する前から、CVに繋がるまでの行動を段階分けして図式化したものが、マーケティング業界におけるファネルです。 マーケティング業界におけるファネルは、以下のような段階を踏むことが一般的です。 認知→興味・関心→比較・検討→購買 ファネルは、後半になるにつれて検討度合いの高い顧客として扱えます。マーケティングや営業活動では、いかにファネルの底に近い顧客を増やすかを考える必要があるのです。ファネルはなぜ重要?その理由は?
顧客には、課題から購買までの一連の「購買プロセス」があります。マーケティングでは、顧客の各プロセスに合わせて適切なアプローチや提案を行い、効果的に営業活動を行わなければなりません。 たとえば、サービスを「いつか導入したい」と考えている顧客に対して、営業担当者が具体的なプランや機能を伝えたとしても、まだ導入するつもりはない顧客にとっては無意味になってしまいます。 まずはより興味を持ってもらうためのコンテンツ提供や、課題の解決方法を提示するなど、購買プロセスに合わせて進行することが大切になります。 このように、顧客がどの段階にいるのかを的確に分析・把握することで、より高いマーケティング戦略が立てられるため、ファネルは重要と言えます。ファネルはどう活用すべき?
ファネルの段階は「TOFU(Top of the Funnel)」「MOFU(Middle of the Funnel)」「BOFU(Bottom of the Funnel)」の3つにさらに細かく分けられます。 それぞれの段階について理解することで、消費者や見込み顧客に効果的なマーケティング施策を実行する手助けになるでしょう。 「TOFU」は、ファネルの中でも特に上層部のことです。商品やサービスについて認知や関心が高くないため、購入の促進や具体的な営業活動を行ったとしても、売上は期待できません。TOFU層の顧客には、まずはより興味を持ってもらうための情報提供を行いましょう。 次に、ファネルの中間層にあたるのが「MOFU」で、見込み顧客(リード)のことを指します。商品やサービスに関する直接的な興味関心はあるものの、購買にまでは至らない、比較・検討段階である消費者です。 ここでは、直接対話をしたりさらなる情報提供、マーケティング戦略を用いて、購買意欲を高めるフェーズに入ります。 BOFUは、ファネルの下層部のことを指し、商品やサービスの購入はほぼ確定しており、いつ・どこから購入するか、導入後のフローはどうするかを検討している段階です。アフターフォローやサポート体制の説明や、一押しが必要になると言えるでしょう。ファネルの種類と特徴
ファネルには大きく分けて以下の3つの種類があり、ファネルごとに活用方法が異なります。 パーチェスファネル インフルエンスファネル ダブルファネル ここでは、3つのファネルについてそれぞれ解説します。パーチェスファネル
パーチェスは「購入・購買」のことを指し、顧客が商品・サービスを認知して購買に至るまでのプロセスを表します。 パーチェスファネルは、以前からマーケティングで活用されてきた「AIDMA(アイドマ)」をさらに発展させて生まれました。 前述した通り、「認知→興味・関心→比較・検討→購買」の流れを踏み、徐々に人数が絞られることで漏斗のような形になります。 これにより、プロセスのどこで購買に至らず離脱してしまったのか、ステップごとの状況はどうかを可視化でき、施策の見直しや最適化を図ることができます。 マーケティング業界において「ファネル」と言えば、基本的にこのパーチャスファネルが表されていることが多いでしょう。インフルエンスファネル
インフルエンスファネルは、購買後の行動・プロセスを可視化したものです。「継続→紹介→発信」の順に数が増えていき、パーチェスとは反対に三角形の図形で表すことができます。 インフルエンスファネルは、口コミやレビューなどといったインターネット上での発信や拡散力が高まるとともに誕生しました。現代のデジタルマーケティングやSNSマーケティング施策を実行する場合、このインフルエンスファネルは欠かせません。 購買に至るまでではなく、消費者の先を見据えたマーケティングを行うことで、新たに多くの顧客やリピーターを獲得し、宣伝効果をより高められます。 このように、顧客側を主体として「商品のイメージをいかに高められるか」「紹介してもらえるサービスにできるか」などについて重点を置いた仕組みがインフルエンスファネルです。ダブルファネル
ダブルファネルは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたものです。 この二つを組み合わせることで、購入したら終わりではなく、顧客をリピート化して、口コミやSNSでさらに新しいファンを獲得する流れが期待できます。 ダブルファネルは、「プロモーション」「アクイジション」「リテンション」「インフルエンス」の4つの段階に分けることが可能です。 パーチェスでの顧客育成から、インフルエンスでの顧客開拓までの効果を最大化させることで生まれる相乗効果を「ダブルファネル効果」と呼びます。ファネルのフェーズごとのアプローチ方法
ただファネルのことを知っただけでは意味がなく、ファネルのフェーズごとのアプローチ方法について把握しておくことが大切です。 以下では、具体的なアプローチや活用方法を解説します。パーチェスファネルへのアプローチ
パーチェスファネルでは、最終的に購買に繋げるために各段階に合ったアプローチが重要になります。 ファネルの段階ごとのアプローチ方法は以下の通りです。 TOFU (ファネル上層部) ・SEO(検索上位表示させるための対策) ・HP制作や自社Webサイトの構築 ・コンテンツ制作 ・メルマガやステップメール配信 ・SNS ・広告 ・ニュースリリースやDM送付 MOFU (ファネル中層部) ・ニーズや情報の取得 ・継続的なコミュニケーション ・パーソナライズされた情報提供 ・LPの制作や発信 ・セミナー開催 BOFU (ファネル下層部) ・購入方法や料金プラン、問い合わせ先の明確化 ・他社と比較しやすい詳細資料の準備 ・アフターフォローやサポートなどの付加価値提供インフルエンスファネルへのアプローチ
インフルエンスファネルでは、口コミや紹介をいかに多く得られるかが大切です。まず効果的な手法として「商品やサービスの体験」「インターネット上での拡散」などが挙げられます。 インフルエンスファネルでは以下のようなアプローチ方法があります。 デモンストレーションによる体験 成功事例の取材 継続的なアフターフォロー ブランディング アフィリエイトプログラム導入ダブルファネルへのアプローチ
ダブルファネルでは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたうえで、顧客行動をトータルで分析する必要があります。 ダブルファネルは、「プロモーション」「アクイジション」「リテンション」「インフルエンス」の4つのフェースに分けられます。 ダブルファネルのアプローチ方法は以下の通りです。 プロモーション (TOFUにあたる部分) ・SEO(検索上位表示させるための対策) ・HP制作や自社Webサイトの構築 ・コンテンツ制作 ・メルマガやステップメール配信 ・SNS ・広告 ・ニュースリリースやDM送付 アクイジション (MOFUやBOFUにあたる部分) ・ニーズや情報の取得 ・継続的なコミュニケーション ・パーソナライズされた情報提供 ・LPの制作や発信 ・セミナー開催 ・購入方法や料金プラン、問い合わせ先の明確化 ・他社と比較しやすい詳細資料の準備 ・アフターフォローやサポートなどの付加価値提供 リテンション (インフルエンスの継続にあたる部分) ・ブランディング ・クロスセル、アップセル ・コンテンツ制作やサポート ・他製品のアプローチ インフルエンス (インフルエンスの紹介にあたる部分) ・口コミや紹介の獲得 ・キャンペーンの実施ファネルの管理におすすめのマーケティングツール2種類を紹介
ファネルについて把握したものの、実際に人の手で管理してアプローチするには、多くのリソースやコストを要します。 ファネルをうまく活用するには、それぞれを一元管理できるツールの導入を検討するのがおすすめです。 見込み顧客の収集・管理を行えるMAツール、営業活動のサポートとなるSFAツールについて解説します。MA
MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティング活動に関するあらゆる業務を自動化・効率化できるITツールのことです。 顧客の管理や分析をはじめとする豊富な機能を活用することによって、さまざまなファネルの顧客に対応できるようになります。 「マーケティング活動の知識がない」「現状の業務を効率化させたい」と考えている人は、MAツールの導入がおすすめです。SFA
SFAは、営業活動をサポートするためのITツールです。見込み顧客に対する営業、分析、営業活動履歴などを一元管理できます。 また情報を可視化することで、担当者間での情報共有をスムーズに行えて連携が取りやすくなるメリットもあります。まとめ
ファネルは、あらゆるマーケティングにおいて必要不可欠な存在です。上手く活用することで、マーケティング効果の最大化が見込めるでしょう。 ただし、ファネルの管理を行うには莫大な手間やリソースを割かなければなりません。ファネルの管理を行えるMAツール・SFAツールを導入することで、業務を自動化・効率化できます。 MAツールは無料トライアルで体験できるものも多いため、自社に合ったツールをぜひ試してみてはいかがでしょうか。
2022/03/02 12:54